現代人の多忙で過酷な生活環境の中では、肩が重い、肩が痛いという症状は常に付きまとっているのではないでしょうか? 肩のコリや痛みは一時的なものから慢性的なものまで症状はさまざまです。そんな肩の痛みの原因や種類、症状別の改善方法を整体による施術を踏まえ、解説していきましょう。
肩の痛みの原因とその種類
肩の痛みを感じることはあってもその原因はさまざまです。まずは不調を訴える方にどのような原因があるのか一般的なものを種類別にみていきましょう。
デスクワークで長時間同じ姿勢
現代ではオフィスでパソコンの画面を見続けるデスクワークが増えています。パソコン作業は集中すると長時間同じ姿勢でい続けるため、首や肩の周辺の筋肉に負担がかかり、緊張状態が続き、痛みやコリの原因となります。筋肉は動かさずにいるほど硬くこわばって凝り固まる性質があります。凝り固まった筋肉は痛みを誘発するのです。
目の酷使
こちらもデスクワークが主な原因とされますが、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の画面を長時間見続けることで、目の疲れが起こります。これが引き金となり、筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの原因となります。目周辺の筋肉への負荷が肩周辺の筋肉に影響を及ぼすのです。
スマートフォンの長時間使用
現代では子供から大人までスマートフォンを持ち歩くようになり、若い人では1日に何時間もスマートフォンを見ているという方も多いでしょう。スマートフォンを長時間見ていますと、首の角度が変わってきてしまう「スマホネック」別名「ストレートネック」と呼ばれる症状を引き起こします。
頭部はボーリングの球ほどの重量があり、その重たい頭部の衝撃を吸収するために、首の骨は緩やかにカーブしています。スマートフォンを持つ手は顔の前方下方向になるため、画面を見る姿勢も自然と頭が前に突き出します。その姿勢が長時間続くと徐々に頸椎のカーブが損なわれストレートになります。これがストレートネックです。頭の重さがダイレクトに首や肩周りへかかるため、血流が滞り、肩こり、頭痛、集中力の低下、ひどい場合は、めまい、不眠、抑うつなどの症状が出るとされています。
血行不良
冷えによる血行不良は、筋肉の疲労や緊張を引き起こし、肩こりの原因となります。また普段から運動不足である場合、同様に疲労を感じやすく、肩がコリやすい傾向にあります。肩こりの塗り薬として血行促進成分がふんだんに配合されている理由は、血行不良が筋肉の代謝を滞らせて肩を固まらせ、血管を圧迫し、さらなる血行不良を生むという悪循環を断ち切ることを目的としているからです。それだけ血行不良は肩こりに影響を与えています。
精神的な負担による緊張
精神的に追い込まれますと、自律神経が乱れ、肩周辺の筋肉が緊張状態となります。文字通り体が縮こまる状態です。一時的なものであればすぐに解消されますが、慢性的にストレスがかかる環境下にいると肩こりも慢性化し、症状は重くなります。
疾患が引き起こす症状
疾患の中には肩こりを伴う症状が現れるものもあります。代表的な疾患を7つご紹介します。
肩関節周囲炎
いわゆる四十肩、五十肩と呼ばれる症状です。加齢により、肩関節とその周辺の組織が炎症を起こし、痛みが生じるため腕の可動域が狭まります。一般的に、痛みは半年から1年程度継続するといわれています。
変形性頚椎症
加齢が原因で首の骨の椎間板が減少していき、弾力がなくなり、椎骨が神経を圧迫し始めます。そのため首や肩、腕などにしびれや痛みが生じます。
更年期障害
女性に起こる症状とされており、閉経などホルモンバランスが乱れることで、さまざまな体調の変化が現れます。症状は人によってさまざまですが、肩コリやだるさ、疲れ、のぼせ、精神的な不安定などが現れるとされています。最近では、男性の更年期障害も言われ始めてきました。
高血圧症
主に食事などの生活習慣により現れる高血圧状態が続くことを指します。自覚症状はないことが多いですが、悪化すると肩の痛み、動機、のぼせなどの症状が現れることがあります。
低血圧症
遺伝や持病などの症状の一環で現れ、低血圧状態が続くことを指します。この場合も肩こりや倦怠感、手足の冷えなどを感じることがあるとされています。
狭心症
動脈硬化などにより心臓周りの血管が詰まりますと、発作として胸の痛みと同時に左肩の痛みを感じることがあります。急激に数分程度、胸と同時に痛みを感じた場合は注意が必要です。
心筋梗塞
これは動脈硬化などで、心臓周りの血液がつまり完全にストップしてしまう状態を指します。このとき、胸や左肩に激痛が走るとされています。疾患を伴う肩こりや痛みの場合はまずは医療機関にて適正な治療と診察が必要不可欠です。思い当たる節がある方は医療機関を受診するようにしましょう。
症状と整体による改善法
肩こりと一言でいってもさまざまな原因があります。それでは症状ごとにどのような改善法があるのかについて、整体の施術を踏まえ解説します。
デスクワークや長時間同じ姿勢を続ける際に起こる肩こり
これらは同じ姿勢を長時間続けることで肩周りの筋肉が凝り固まってしまうことや、目を酷使することで、目の筋肉の疲れから、肩のコリへとつながっていることが原因とされています。そのため、しっかりと肩周りの筋肉をほぐすことも大切ですが、目の疲れを取ること、また長時間同じ姿勢を続けていることで、体に歪みが生じている場合は、これらの歪みを改善しなくてはなりません。
最近良く耳にする施術に「肩甲骨はがし」と呼ばれるものがあります。肩甲骨周りの筋肉はデスクワークにより、凝り固まりやすい場所です。肩甲骨周りの筋肉が凝り固まりますと、本来大きく動くはずの肩周りの可動域が狭くなり、猫背を引き起こし、体に歪みを与えるきっかけとなります。
肩甲骨はがしでは、凝り固まりガチガチになってしまった肩甲骨周りの筋肉をはがすようなイメージで筋肉をストレッチし、ほぐしていく施術内容となります。すぐに効果を実感できる方もいらっしゃいますが、コリがひどくガチガチになってしまっている場合、コリの部分に指が入っていかず、数回にわたりほぐしていく必要もあります。
血行不良による肩こり
血行不良の場合は体のどこに原因があるのかをまず突き止めます。筋肉の緊張から起きているものなのか、もしくは関節のズレや圧迫から起きているものなのか、肩周りだけでなく普段の日常生活や、仕事内容などから全体を見て判断します。その上で必要な部分の歪みや、ズレの調節を行い、血行の改善を図ります。肩だけでなく体全体に対して治療が必要な場合もあります。
精神的な負担から起こる肩こり
これは精神的に気を張った状態が続くことで、余計な力が入り、筋肉にも緊張状態が続くことが原因です。そのため、まずは緊張して凝り固まった筋肉をほぐし脱力できるようにしていきます。またこのような症状を訴える方は自律神経が乱れている場合があります。自律神経は、緊張とリラックスのバランスで活動しています。自律神経のバランスが乱れている状態では、リラックスをしようとしてもうまく息抜きができない状態に陥っているものです。しかし、コリを取り除き、歪みを改善することで、副交感神経が優位になり、リラックスができるようになります。
また整体は基本的に機械等を使わず手技で施術を行います。機械と人では体感に大きな違いがあります。人の温もりを感じて施術を受けることはさらなるリラックス効果をもたらすのです。
そのほか疾患による肩こり
心筋梗塞、狭心症、高血圧症、低血圧症など、前章でご説明しましたような疾患に思い当たる場合はまず専門の医療機関に相談をしましょう。その上で整体の施術を受けても問題ないかどうかを判断するようにしてください。
疾患からくるもの以外は根本の歪みや体のズレをしっかりと改善することが大切です。施術でしっかりと改善することも大切ですが、日常生活の中で改善するべき点や、意識していく点もあるでしょう。施術の際は日常生活でどのような点に気をつけるべきなのかについてもアドバイスをもらい実践しますと、よりしっかりとした効果を得ることができます。
手軽にできる簡単肩こり改善法
施術の効果をしっかり高め、実感するためにも、自宅で手軽にできるケアをしていきましょう。ここでは自宅でどのようなケアをしておくべきなのか、手軽な方法をみていきます。
ストレッチ
ストレッチでは血流を良くするため、凝り固まった筋肉をほぐす効果が期待できます。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けている方は、休憩を兼ねてストレッチを行うようにしましょう。その際、肩甲骨を動かすことを意識しながら行うことで、肩甲骨周りが凝り固まり猫背になることを防ぎます。猫背になるとより姿勢が悪くなり、肩こりも悪化してしまいます。定期的にストレッチを入れて、筋肉の緊張を和らげましょう。
目を閉じる、温める
目の疲れは肩こりに直結します。そのため、長時間のデスクワークの際、隙間時間やちょっとした時間に目をつぶり、目を休ませるようにしましょう。またその際、可能であれば温かいタオルなどで、目元を温めることができると目の周りの血流がよくなり、栄養素や酸素がきちんと眼球周辺に運ばれるので、即効性のある疲労回復効果を感じられます。
体を温め、体温調節をする
冷えや血行不良は肩こりにも影響します。冬の時期はもちろんのこと夏場でも冷房の効きすぎる電車内やデパート、職場などで体が冷えてしまうことも多々あります。体をできるだけ冷やさないように、夏場でも上着を持って調節ができるようにしておくとよいでしょう。また、シャワーだけで普段の入浴を済まさず、湯船にはしっかりとつかるなど体を温めることを意識して生活していきましょう。
適度な運動
運動不足の場合、普段使わない筋肉が使われると疲労を感じやすく、肩の不調が現れやすくなります。適度な運動をこまめに行うようにして、普段から筋肉を使うように意識した生活を送りましょう。エスカレーターで上り下りしていたところを、すべて階段にするだけでもかなりの運動になります。血行促進にもつながり冷えの改善にも効果的です。
これらは一般的に肩こりによいとされているものです。実際に整体で施術を受ける際は自分自身の体の状態や生活習慣を踏まえた上でどのようなことに心がけたらいいのか具体的にアドバイスをもらい、それらを実践するようにしましょう。
日常生活の見直すべきポイント
中には「ここ最近になって肩こりが気になるけれど原因がわからない」という方もいるでしょう。普段何気なく生活している中にも実は体に負担をかけ、無意識に肩こりの原因を作り出している可能性があるのです。ここでは具体的にどのような点を意識して、日常生活を振り返って見るとよいか、チェック項目を作ってみました。
枕の高さをチェックする
実は何気なく使っている枕ですが、この枕の高さが合っていないと寝ているときに肩や首に負担がかかっている可能性もあります。ぐっすり眠れない場合は布団が固すぎたり、柔らかすぎたりしないか、枕の高さが適正であるかチェックをするようにしましょう。
眼鏡やコンタクトの度数をチェックする
普段使っている眼鏡やコンタクトの度数が合っていない場合、姿勢が悪くなることにつながり、体に負担がかかります。また度数が合ってないものを使用することで、目にかかる負担も大きくなります。定期的に視力検査をして使用している眼鏡やコンタクトがあっているか確認をするようにしましょう。
着用している靴をチェックする
靴のサイズが合っていない、または歩きにくい靴を使用し続けるなど適した靴を履いていませんと、歩き方に歪みが生じます。普段 着用している靴のかかと部分を見ますと、歪んだ歩き方をしている場合、斜めにすり減っているのが良くわかります。靴選びが間違っていないかチェックしましょう。
食生活をチェックする
肩こりは筋肉の疲労から起こります。疲労回復の栄養素や、血液の循環を良くする栄養素、さらには筋肉や骨を強くする栄養素をバランスよく、きちんと摂れているかチェックしましょう。主に血液の循環を良くするのはビタミンE、DHA、EPA、老廃物の分解を促進して、疲労回復効果を高めてくれるものはクエン酸、筋肉や骨を強化するものは良質なタンパク質や、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ミネラルなどが大切です。
肩こりだけでなく、心身ともに健康であるためにもバランスよく食事を摂ることは重要です。普段から食事のバランスが取れていない、または不規則な食生活を送っているという方は、きちんとバランスが取れているかどうかチェックをして、思い当たる部分を改善していきましょう。
どれも日常生活の何気ないものです。誰もが肩こりに悩まされる可能性があります。体の声に敏感になり、何が原因か突き止めることで効率よく症状の改善に努めることができるでしょう。そのための知識として、この記事を活用ください。
まとめ
肩の痛みにはそれぞれ原因があり、それによりアプローチ方法も異なります。一時的に辛い症状を改善することも大切ですが、痛みが出るということは、体のどこかに必ず原因があります。しっかりと原因を突き止め、痛みのない生活が送れますよう、根本原因を追求し身体を整えておくことが大切です。
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